ザンクト・マルガレーテン音楽祭
写真 ©Zauberflöte-2019©Oper im Steinbruch Andreas-Tischler
ウィーンの南東約60㎞のブルゲンラント州にある採石場跡地「ザンクト・マルガレーテン」。この砕石場ではローマ時代から2000年もの間、砂岩が切り出され、その跡地は、記念碑のような奇岩が集まる風景になっています。
ここでは毎年夏、野外オペラが上演され、毎年20万人以上の観客が訪れています。座席数は5000席ほど。切り立つ石壁に囲まれた壮大な雰囲気の中、迫力ある演出のオペラを楽しむことができます。公演には途中休憩もあり、飲食スペースで上演前と休憩時に飲食を楽しむこともできます。
オーストリアエクスプレスのツアーでは、ウィーン、ノイジードラー湖近郊のルスト、ハイドンゆかりの町アイゼンシュタットから専用車でアクセスします。公演後の遅い時間でもご宿泊ホテルまで送迎いたしますので安心です。
2025年は『さまよえるオランダ人』
写真 ©Oper im Steinbruch Official Websitehttps://www.operimsteinbruch.at/
《ザンクト・マルガレーテン音楽祭》
2025年7月9日~8月23日。演目はリヒャルト・ワーグナー作『さまよえるオランダ人』。
【2025年公演日】
7月公演日:7月9, 10, 11, 12, 17, 18, 19, 23, 24, 25, 26, 31日
8月公演日:8月 1, 2, 7, 8, 9, 14, 15, 16, 21, 22, 23日
7月9日と8月公演は20時開演、その他7月公演は20時半開演です。
期間中、木~土曜日が公演日 但し7月9日(水)、23(水)、8月6日(水)は公演有り。
ハイドンゆかりの地「アイゼンシュタット」
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809)は、ハンガリー王国との国境にあるローラウ村に誕生しました。幼い頃から音楽に才能を発揮し、8歳の時にシュテファン大聖堂の監督に才能を認められ、聖歌隊員(定員6名)の1人となります。1749年、変声期を迎えたため18歳で聖歌隊をやめます。ちなみに弟ヨハン・ミヒャエル・ハイドン(1737-1806)も1745年に聖歌隊の隊員になります。
1761年、ハンガリーの大貴族エステルハージ(Esterházy)家の副楽長になり、1766年楽長に昇進。その後30年間、エステルハージ家に仕え、数多くの作品を作曲しました。
50歳頃からハイドンはモーツァルトと親しく交流し、22歳のベートーベンも60歳のハイドンの元で作曲の勉強をしています。晩年は2つの大作「天地創造」、「四季」を作曲。1809年、ウィーンの家で息を引き取りました。享年77歳。この家はハイドン博物館として見学できます。遺体はアイゼンシュタットのベルク教会に眠っています。
ウィーンから列車(またはバス)で南に約1時間。ハンガリーとの国境に近い街アイゼンシュタット。大貴族エステルハージ家の宮殿があります。エステルハージ宮殿はオーストリアで最も美しいバロック宮殿の1つと言われ、大広間ハイドンザールではコンサートも開催されています。宮殿内のレストラン・ヘンリチ(Henrici)で美味しい料理と甘いエステルハージトルテはいかがですか?エステルハージトルテは、へーゼルナッツ入りのスポンジの層にカスタードやバタークリームが塗られたケーキで、ウイーンのカフェでも定番です。
メルビッシュ湖上音楽祭
写真© Moerbisch Operetta Festival©Österreich Werbung, Photographer Popp & Hackner
ハンガリーとの国境沿いにあるノイジートラー湖。そのままの自然が残り、野鳥保護地域のノイジートラー湖一帯は、世界遺産に登録されています。
この湖上で開催される『メルビッシュ湖上音楽祭』♪ 夏の野外ステージでオペレッタ(またはミュージカル)公演を楽しむ音楽祭です。
2025年メルビッシュ湖上音楽祭『サタデーナイトフィーバー』
写真 Saturday-night-fever©Seefestspiele Mörbisch
《メルビッシュ湖上音楽祭》
2025年の演目は、『サタデーナイトフィーバー』!!ジョン・トラボルタを一躍スターにして、世界中にディスコブームを巻き起こした1977年のアメリカ映画です。ビージーズのディスコサウンドが夏の湖上に響き渡ります♪
7月10日に初演を迎え、8月16日までの木金土に公演。約6000席の客席がいっぱいになるメルビッシュ湖上音楽祭です♪ ご希望の場合はお気軽にお問い合わせください。
【2025年公演日】
7月公演:20時30分開演 7月 10, 11, 12, 17, 18, 19, 24, 25, 26, 31日
8月公演:20時開演 8月 1, 2, 7, 8, 9, 14, 15, 16日
世界遺産「ノイジートラ―湖」&湖畔の街「ルスト」
《ノイジートラ―湖(フェルテー湖)》
ドイツ語で「ノイジートラ―湖」、ハンガリー語では「フェルテー湖」と呼ばれ、オーストリア・ハンガリーの国境線が湖を真ん中を走っています。ウィーンから南東約60kmの場所に位置し、南北36km、東西14kmと縦長の湖は総面積32,000ha、ヨーロッパ最大の塩湖、流出する川を持たないヨーロッパ最大の湖、ユーラシア大陸最西端のステップ湖です。
2001年、オーストリアとハンガリーの両国の協力で「フェルテー湖/ノイジードル湖の文化的景観」として世界遺産に登録されました。2022年、降水量が非常に少なかったことから、ノイジートラ―湖の水位が下がり、オーストリア・ハンガリー両国で対策を協議しています。300種以上の鳥が生息するノイジートラ―/ゼーヴィンケル国立公園はバードウォッチングのパラダイスとして愛鳥家が後を絶えません。
《コウノトリの町:ルスト》
ノイジートラ―湖のほとりに位置する人口1,900人ほどの小さな可愛らしい町、ルスト。ワインの名産地として知られ、コウノトリの町としても有名です。ルストの町の建物には煙突の上に、コウノトリの巣が見られます。
この「コウノトリ」、日本では「シュバシコウ」と呼ばれる種で、赤いくちばしが特徴です。ドイツとリトアニアでは国鳥として親しまれています。日本では北海道の円山動物園で見ることができます。コウノトリの飛来時期は3月~4月上旬頃ですので、夏の音楽祭の時期には、アフリカに向けて旅立つ準備の最中かもしれませんね。
(参考)ブレゲンツ音楽祭『魔弾の射手』
写真© Bregenzer Festspiele / Anja Köhler
《ブレゲンツ》
ドイツ、スイスと国境にあるボーデン湖畔の街。街のマルティン塔の101段の階段を上るとボーデン湖やブレゲンツ市街が見渡せます。お天気がよければ、登山列車プフェンダーバーンに載乗って山上駅へ。美しいボーデン湖や湖岸の小さな町のみならず、スイスやドイツアルプスの山々の眺望が楽しめます。スイスのチューリッヒからは鉄道で約1時間30分。ドイツのミュンヘンからも約2時間30分とお隣の国からもアクセスが便利です。
《ブレゲンツ音楽祭》
2025年は、7月17日に初演を迎え、8月17日まで上演。7000席の客席が満席になるブレゲンツ音楽祭です♪ 演目は昨年に続き『魔弾の射手』。夕日をシルエットに、ボーデン湖に浮かぶ湖上ステージでのオペラ公演は、忘れられない素晴らし思い出になることでしょう。
【2025年公演日】
7月18, 19, 20, 22, 23, 24, 25, 26, 27, 29, 30 (21:15~)
8月1, 2, 3, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 12, 14, 15, 16, 17(21:00~)
上演時間:2時間 休憩なし
オーストリアの西の端に位置するブレゲンツへは、ウィーンからは鉄道で7時間近くかかりますので、ザルツブルクなどで途中宿泊してブレゲンツはご旅行されることをおすすめいたします。
(参考)ザルツブルク音楽祭
写真:Salzburg Festival, Hofstallgasse©Tourismus Salzburg GmbH
《ザルツブルク》
モーツァルトの故郷、音楽の街ザルツブルク。映画『サウンドオブミュージック』の舞台としても有名です。雄大なアルプスを背に壮麗な街並みが続くザルツブルクは、世界で最も美しい都市のひとつに数えられ、世界文化遺産にも登録されています。
《ザルツブルク音楽祭》
毎年7月下旬から8月末まで開催。メインとなる祝祭大劇場、フェルゼンライトシューレ、モーツァルトハウスの3会場を中心に、街中の15もの会場で毎晩コンサートやオペラ、演劇などが上演されます。毎年、一流の指揮者、ソリスト、オーケストラが公演に参加し、世界最大規模の夏の音楽祭として世界中の観光客を惹きつけています。
ウィーンからザルツブルクへは鉄道で2時間30分~3時間ほどです。ザルツブルク音楽祭鑑賞をご希望の場合は、ザルツブルクへ移動して、現地にご宿泊してお楽しみください。