オーストリア旅行のおすすめスポット【国の最期を見た教会】


 
ウィーンにはアム・ホーフ教会という教会があります。
この教会は、ある歴史の一幕の舞台となった場所です。

ナポレオン1世が台頭していた1800年頃、それは起こります。
神聖ローマ帝国の統治力を教皇の権威によりもぎとっていたナポレオン1世は、1806年にドイツ地域にライン同盟を創始します。この同盟にはプロイセンとオーストリアを除く全ての諸国が加盟。各国でナポレオン法典の導入やフランスに対し軍を提供するなどの改革がなされました。

ライン同盟への加入に伴い、バイエルンなど16領邦が神聖ローマ帝国から離脱。これを受けて当時の神聖ローマ皇帝フランツ2世は、1806年8月6日、アム・ホーフ教会のバルコニーで皇帝の地位を退位、そして神聖ローマ帝国の解体を宣言したのです。
これで年近く続いた神聖ローマ帝国は、名実ともに消滅しました。




ひとつの連邦国家の最期を見届けたアム・ホーフ教会は、落ち着いて静かに見学することができます。
現在ではクロアチア人の集う教会となっているようで、ドイツ語とスラヴ系の言語の看板が入り混じっています。
元々のゴシック建築をバロック建築に改築した、シンプルさと豪華さが綺麗に融合した美しい空間。
教会の内部の主祭壇には、「聖母子を囲む9人の天使」という祭壇画が飾られています。


ウィーンの中心部からほど近くにある教会なので、ご旅行の際には一度立寄ってみてください♪






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